● 視力障害の人達が他の運動機能障害の人達とのゲーム対戦が楽しめます
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サウンドテニスサークル横浜会場に脳血管障害後遺症による片麻痺の人達が、視覚障害の人達の練習に加わりました。
サウンドテニスのオープンゲーム は全盲の人と通常視力の人との対戦ゲームを可能とする競技です。 ダブルスでも楽しめますが、基本的にはプレイヤーの力を十分に引き出せるシングルスで行います。 競技内容は、障害の異なる人達が競い合うゲームでも実現できます。
運動機能に障害のある人達は、下肢または上肢の動作が障害のない人達に比べて、動きが低下する人もおります。 このため、下肢に運動機能障害のある人達の競技には、ハンディキャップテニス規定の2バウンド後または3バウンド後の打球までを有効とする規定が設けられており、サウンドテニスのコートスペースの規定と組み合わせることで、ゴルフのハンディのように類似して、互いに力加減を不要とする対戦が楽しめます。
スポーツの魅力と面白さは互いに全力で競い合うことですが、開発されたサウンドテニスと別途紹介のスポンジスーパーテニスはいずれもこの基本に沿って生み出されています。 この日参加した片半身に障害のあるふたりは、日頃、スーパーテニスを愛好する人達です。
ボールを視力で確認出来ないプレイヤーが不利なのか? コート上を速く移動することのむずかしいプレイヤーが不利なのか?・・
当日のゲームはいずれも熱戦となり、互いにポイントを失って残念がったり、ポイントを取って笑顔になったりしておりましたが、接戦の中、僅かな差で運動機能障害の人が吉原さんに勝利しました。
対戦方法はオープン競技規定に従う内容で、コートハンディが対戦者の視力の有無による競技力の差を感じないものにしています。
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吉原さんからのレポート ・・・
初めて、視覚障害以外の他の障害をもった方とのテニスをしました。
先生に 「横田さん達が見えるから、一緒にゲームをしよう。」 と言われたときは、うまく出来るのか不安でした。
しかし、実際やってみたら、不安はどこかにふっとんで。楽しんでいました。
横田さんと川浦さんにはシングルスゲームで負けてしまいましたが、少しラリーも続いてうれしかったです。
ゲームが終わった後で、横田さんと、川浦さんに
「目が見えないなんて思えなかったよ!」
といわれたときはうれしかったな〜!
と思っていますが、また、今後も、こんな機会が増えればいいなと思いました。
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人を区分、区別化することは、時には心無い差別化を生み出す要因のひとつになることもあります。
スポーツには区分があり、その練習環境や競技の内容に差別化もあります。 しかし、工夫次第で区分の壁を取り除くことが可能です。
こうした差別化を除く方法のひとつとして ハンディキャップテニス競技規定の設定があります。
●ハンディキャップテニス とは
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すべての人達を対象に、競技レベルや体力、身体機能などの違いが生み出す差別化を超え、共に楽しめる工夫を加えたテニスです。 硬式テニスに加え スポンジボールを使用するスポンジ・スーパーテニスとサウンドテニスの競技が加わり ハンディキャップテニスから 近年は
ユニバーサルテニスの名称に移行しています。
ユニバーサルテニスには
硬式テニスの内容も含んでいます。 いづれのテニス競技も当初のハンディキャップテニスの設計基本に従って開発されています。
●ハンディキャップテニス競技規定の基本は
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参加する人達を
技術レベルで区分する競技方法の他に 子供達や成人、高齢の人達、運動機能にハンディのある人達などが 体力や運動能力、年齢やテニス技術の違いにこだわらず 一緒に競技対戦することの可能な内容を明確に規定し 楽しめるように設定されたテニスです。
ハンディキャップテニス競技方法の一例として
・・ 全盲など視力障害のある人達が 通常視力のある人達と互いに力加減することなく対戦出来るサウンドテニスの競技方法があります。 サウンドテニスは 視力のある人はアイマスクを使用せずに 通常のテニス技術すべてを投入したプレーが可能です。
視力の有無を超えて熱戦、接戦を生み出すサウンドテニスは 視力の有無を
コートサイズで調整する競技設計が図られています。 全盲の人達のテニス競技を開発した経験と 障害のある人達を差別化しない考え方が 新しいテニス競技の開発につながっています。
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スポーツは区分することによって競技としての魅力を高めることも出来ますが、一方、区分しない競技方法がスポーツを更に大きく、幅広い普及へと展開することが可能となります。
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