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テニス講習には、参加者 0 の日を 除き、毎回 2〜5名の人達がテニス練習を 続けました。 参加した人達の大半が車椅子バスケットボール経験者であったことから運動能力が高く、基本通りのスイングを学んだ10数分後に 初めて握ったラケットから スピードとコントロールを伴ったボールを
打ち返してきました。
ボレーショットも見事なラケット操作で返球する様子に 車椅子テニス環境づくりに取り組みを始めた私達関係者は、最初に頭の中に描いていたイメージを大きく超えたテニスプレーが見られ・・ 一般の初心者が数ヶ月間の練習を要する技術を車椅子を使用した人達が、初回練習のショットで見せたことは・・ 印象的でした。
国内車椅子テニスの将来性について期待を高くさせてくれた当日の感動は・・ 30数年 経過した今も 忘れることはありません。
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講習は毎回1時間ほどでしたが、参加した人達は 指導内容を素直に受け入れる能力があり、車椅子バスケットボールの経験者としての優れた運動能力もあったことも
良きプレーにつながったものと思います。 身体に障害がある人達はスポーツ参加はむずかしい! との考え方が多い時代は、車椅子で楽しむテニス環境づくりに理解を示さない人々が数多くおりました。
様々な社会環境の中で、工夫する能力が少なく、新たな内容を求めるための革新(イノベーション)の意識もない状況の中で、古い常識ばかりを優先すれば、優れたスポーツセンスのある人達の発掘は進みません。 |
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車椅子テニスを最初のプログラムにしたNPO事業は、次の新しいテニス開発や環境開発に取り組みましたが、当時、感じたことは・・・
「テニス界は・・ すべての人達に対して、建前や総論ではなく、実際に参加のできる機会や環境づくりをつくり出す取り組みを早くに進められないのか? また、テニスの普及発展に向け、”
温かな理解 ”と ”知恵や工夫 ” を 既存のテニス愛好者達やアスリート以外の多くの人達のために注ぐことができないのか?・・」 との思いが 強く生まれました。
「むずかしい内容だから・・ 取り組んでも不可能に思える・・ 」 との考え方から、チャレンジした際の失敗を 心配しているだけのテニス関係者には、何も生み出すことは出来ません。 みんなが楽しめるスポーツ環境づくりは、工夫すれば可能なのですが・・ 既存の競技コートの中だけではなく、社会の隅々で進めることができることを実行する人達が 40年近く前に
存在してほしかったところです。
楽しむ体力や運動機能の有無などでスポーツ参加を制約しない考え方が必要です・・ ここにご紹介の車椅子テニスもその一部です。
「車椅子をコートに持ち込むことは 認められない!」 と考えたり、体験機会を多くの人達に提供ができないのは マイナースポーツの世界です。 古い固定観念には縛られない子供達のような自由な発想力と恐れも知らない行動力が、誰からも愛される本物のメジャースポーツの世界を育みます。
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