新たなテニス環境開発  Development of new tennis environment

  運動機能障害、聴力障害の人達を加えた<バリアフリーアスレチックテーピング講習・・


時と所を選ばずに、突然、楽しいゲームを中断させる・・ 時にはスポーツライフを断念させてしまう・・ ケガや故障の発生!!
数秒足らずの時間で、スポーツマンの夢を簡単に壊してしまう <スポーツ傷害事故> の予防が出来れば、プレイヤーはいつまでも高いレベルでスポーツを楽しむことが出来ます。 スポーツ中に起きる様々なケガの原因は、無理や油断によるものが多いのですが、プレー前の準備運動不足などを起因とする場合も少なくありません。

気をつけていてもケガや故障はいつ起こるのかは分かりません。 スポーツの時ばかりでなく、日頃の生活の中でも起こります。
ケガが発生したとき、出来る限り早くに適切な処置が出来ないと・・ 数週間で回復する怪我を数ヶ月にわたる大きな負傷にすることもあります。

治療のために医療機関に行くまでの間に、可能な限り早くにケガの手当をすることが望まれますが、専門の医療関係者に代わる簡単な手当の技術が必要です。 そこで <アスレチックテーピング講習> を企画し、この講習は1984年〜1986年まで(年間3、4回)実施しました

<アスレチックテーピング>講習会はいろいろなところで開催されています。 しかし、障害のある人達が参加出来る企画は少なく、通常、社会的弱者と見なされて、治療手当などを受けることはあっても、他の人達のケガなどに対応して手当する立場になることは皆無に近いところです。
なぜ こうした考え方が常識のように思われているのでしょうか?

災害や急病などで救助、救命を求めている人達が目の前にいれば、例え子供達でも、障害のある人達でも 助けようとする気持ちがあります。
身近にいる人達が支え合い、助け合うことは、障害の有無には関係なく、人として自然な行動です


いろいろな事故や災害現場の状況を見聞きすることがあります。 ・・災害などで、負傷した人自身が出血しているのに、大きな怪我で苦しんでいる人達の救命、救助に懸命に努めている人達もおります。 中には自分の負傷手当が遅れて命を落とした人もいます・・ これが人間本来の姿です。

こうした情景は、国内外の様々な場所や環境で起こっています。 助けた人が当たり前の行動として名乗らなくても、現実には助けられた人が存在する社会は心豊かな社会です。 新しいユニバーサルテニスの競技内容の工夫や環境を育んだ多くの人達の存在も類似している姿かも知れません。

スポーツ参加の機会を得た人達の笑顔や元気な姿を見ることだけで役割りを果たした思う多くの人達の存在が、ここに紹介しています各種のNPO事業が長く継続することの出来た理由のひとつになっています。


 

 
この講習は、新しいテニス環境開発の線上で企画されています

新しいテニス環境開発の基本は、様々な傷害のある人達を最初から弱者と見なすことはなく、競技面では障害の有無に関係なく、対戦する相手が誰でも常に力いっぱいにプレーのできる競技方法をユニバーサルテニス(※ハンディキャップテニス)では設計しています。
子供達が遊びを求めている場合は別ですが、本物のスポーツは・・競技の面白さや負ける悔しさを多くの人達と子供達に紹介することで成り立つものです。

公開の資料や体験機会の中で、視力のあるプレイヤーが全盲の人を相手に力加減のないプレーで対戦することやベテランプレイヤーが子供達との対戦に力いっぱいに競技することなども、共に競い合う相手を見下したプレーが生まれないように、基本のテニス内容は変えることなく、ひとりひとりの力を引き出す競技環境を生み出しています。 実力のあるプレイヤーでも、幼児以外は別として、力加減したプレーで子供達の本当の心を満たすことはできません。

事業当初に取り組みを進めた車椅子テニスは身障者スポーツとして知られるようになりましたが、海外は別として、国内でこのテニス環境づくりを推進したNPO団体の考え方は、車椅子を使用する人達も機能障害のない一般テニスプレイヤーと一緒にプレーする競技を目指したものでした。
車椅子テニスは、その後、普及が進む中で愛好者達で構成する協会が生まれていますが、環境づくりを進めたNPO団体は、障害内容については車椅子の使用にこだわらない広く大きな競技環境づくりへと歩みを進めることになりました。
 

誰でも参加出来る講習は、機会均等の総論だけでは実現しません。
講習会場によっては、エレベーターがないところでは、車椅子を使用する人達をみんなで2階、3階へと運ぶことも、聴力障害の人達には手話通訳者が協力することもしっかり考え、準備することによって具体化出来る企画です。


この企画は、身体に障害のある人達も積極的にテーピング技術を学ぶことで、スポーツ現場でも日頃の生活環境の中でもその技術や知識が役立ちます。 
障害のない人達も含めて 多くの人達で理解する機会のひとつとして、様々な環境の中で、バリアフリーの考え方が広く育まれることを願っています。
<バリアフリーアスレチックテーピング講習>企画 (※1984年〜1986年 年間3〜4回 実施)

   
専門トレーナーを講師に招き、障害の有無にこだわらず幅広い人達が参加して開いた講習は、多くの人達には興味深い企画として、熱心に学んでいました。

負傷した直後のテーピン技術の他、ケガを予防するためのテーピングを学び、講習会場の近くに用意したテニスコートで実際にプレーできる企画を加えました。
 コート上で テーピング効果を実感した人達には 好評でした。
既存の内容や企画方法にこだわらない発想が多くの人達の生活の質を高めるものを生み出します。
従来の社会慣習や考え方に従うばかりでなく、柔軟な発想力と企画行動力のある人達、特に若い人達の活動、活躍が今の社会に大切です。