近年の社会経済の低迷は、障がいのある人達や高齢者、体力の少ない人達にとって厳しい環境を生んでいます。 障がいの有無に関わらず多くの人達の生活環境も厳しい面が多々あり、これまでのテニス環境からやむなく離れる人達も数多く見られるところです。
スポーツを楽しむための経済的基盤が弱い人達にとっては、スポーツ施設などへの交通費や練習経費を負担することがむずかしくなっております。こうした現状に適したテニスの楽しみ方の開発を図り、多くの人達が楽しめるスポーツ環境開発づくりを進めております。
当初の20数年間、ハンディキャップテニス開発の取り組みは、硬式テニスの内容をベースに進めて参りました。 しかし前述のような社会環境の中、テニス参加の楽しさを諦める人達が増えることのないように、新しいテニス内容と競技方法でテニス参加者の底辺を広げることに努めてきました。
しかし 硬式テニス界の低迷が続く中 多くの人達がゲームを楽しむ機会に接することができる工夫を図りたいと考えました。
1980年代にハンディキャップテニスの世界に導入したスポンジテニスの内容を、障がいのある人達や子供達のみでなく、成人や硬式等のテニス経験者も楽しめる競技方法を備えたスポンジスーパーテニスを開発しました。
スポンジボールを使用するこのテニス内容は、ボールの軽量性がテニス経験者には打球感では少し物足りなさを感じる面がありますが、多くのスポンジボールを使用したテニスとは違い、硬式や軟式のテニス技術を投入できる上、力いっぱいの打球を楽しめる高品質のボールを選定したことにより、スーパーテニスの内容は評価は高く、その競技性は決して低いものではありません。
スーパーテニスの内容は、ラケット、ボール、コートなどの違いを別にして、硬式テニス愛好者が保有しているウエアやシューズ、バッグ類がそのまま活用できることが可能ですから、スポーツ用品業界にとっても好適と評価されています。
更に、このテニス内容の特徴は、新しくテニス参加する愛好者が硬式テニスに関心を向けるときに、また、経済環境が好転したときに、硬式テニス愛好者が硬式テニスをライフワークに加える際の新たな負担を少なくすることも可能です。
硬式テニスと違ったスーパーテニスの特徴は、初心者の多くが本格的なゲーム参加するために経験の積み重ねが必要とされる硬式テニスに比べ、テニス経験のない人達や子供達が短時間で簡単にゲーム方法をマスターして楽しみ、競技の面白さを早くに実感できます。
新しいテニス愛好者の発掘にもつながり、大きく、幅広い視点からこうした取り組みの行方を見つめたとき、硬式テニスの振興に良き効果をもたらすものと考えます。
スポンジボールを採用したことで、硬式テニスよりも競技レベルを低下させたと考える人達がいます。 スポンジ・スーパーテニスの魅力とその実力を確認されることにより、テニス競技の楽しさ、面白さが倍加します。
スポーツは人と社会を元気づけ、いろいろな人達の心をつなぎます。 NPO団体として長く取り組みを進めてきました硬式テニスの企画を当面少なくしておりますが、テニスが新しい時代の中で万人スポーツ、生涯スポーツとしての魅力を失うことのないようにと考えています。
硬式テニスはテニスの本流であることは、昔も今も変わりません。 その魅力がスポンジテニスの開発につながり、更に楽しさを引き出しました。
JHTFとして主催する硬式テニス企画は活動の資金と時間の不足などから、やむなく休止させておりますが、NPO事業として可能な範囲でテニス愛好者へのサポートを継続して参ります。
これからも人の健康や社会の歯車に大切な潤滑油としての役目を果たすスポーツ 「テニス」 を多様な視点と内容で発展させたいと思います。
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