サウンドテニスの魅力

晴眼者(視力のある人)や 弱視の人に勝てたときは 最高ですよ!


私がこのテニスを知ったのは、18、9年前です。

国立リハビリテーションセンターで行われた視覚ハンディキャップテニス大会の参加がきっかけです。 
当時は、テニスというスポーツは知っていましたが 「飛んできたボールを打ち返すなんて・・」 と思っていたので 初めて
ラケットに当ったときは、とてもうれしかったです。 この気持ちは・・全盲になった今のほうが強いと思います。
その後、何年か続けて 視覚ハンディキャップテニス大会に参加しました。

最初の頃はボールが手に入らず、小さ目のスポンジボールなどで、昼休みや放課後に友達と楽しみました。 
しかし、学校を卒業して以来、練習もせずに大会に参加していましたが、「これでは・・」 と思っていたときにサウンドテニスクラブを知り、
入会しました。

最初は、コートづくりやネットを張る方法がよく分からず、指導者やボランティアの人達に任せきりでした。 
でも今は、いろいろと工夫され、改善したので、全盲の私達だけでも出来るようになりつつあります。

はじめの頃の練習内容は、弱視の人達同士、また、全盲の人達同士でのゲームがほとんどでしたが、参加人数が足りないときは
晴眼者がアイマスクをして 視力のハンディ をなくしてのゲームをしていました。

弱視と晴眼者のゲームでは、アイマスクに小さな穴を空けて視野のハンディをつけました。 
しかし、この方法は私はすっごく嫌いでした。 なぜなら、テニスのキャリアがある人はサーブが打てても ラリーが続かないからです。
目隠しをした晴眼者は 動くことも 打球も難しいからです。


その後、この目隠しの代わりに、点数(ポイント)やバウンド数にハンディをつける方法も練習しました。
しかし、この方法でも 一生懸命にやっても 視力のある人と対戦するゲームは難しかったです。 

現在のゲーム方法であるコートの大きさでハンディをつけるようになってからは、テニスがもっと楽しくなりました。
ラリーが続いたり、ポイントを取ったときは 格別です。

なので、もっと多くの人達にこのテニスの楽しさを知ってほしいと思います。
私は弱視のときにこのテニスに参加していますが 全盲になった現在も楽しんでいます。

「見えないから・・」 といって、諦めずに どんどん体験してほしいなと思います。
「晴眼者や弱視の人に勝てたときは 最高ですよ!」   
                                                   吉原 (東京)


      

      

 吉原さんの紹介と競技指導の現場から・・・

この感想をお寄せいただいた吉原さんは、1990年に国立身体障害者リハビリテーションセンターの関係者と共に企画、開催した国内外初の
第1回 視覚ハンディキャップテニス大会に お姉さんと一緒に参加しました。
当時、吉原さん姉妹は共に弱視でしたが、ふたりは次第に視力を失い、現在は視力0になっています。

弱視の頃も積極的に練習に参加していましたが、現在も熱心に練習しているひとりです。
サウンドテニスクラブのまとめ役も務め、練習会場への往復は家族がガイドヘルパーとして随行しています。 

オープンゲームの開発目的は、視力レベルの違いや視力の有無に関係なく、視力のある人はボールをしっかり見て打つ、視力のない人は
ボールのバウンド音で位置を判断して打つ・・ 人それぞれの身体能力を活用して 誰でも対等に競い合えるテニス競技を生み出しています。

コートサイズによる競技ハンディを適用したオープンゲームの試合は、指導者も 一般のテニス経験者も しばしば敗戦の悔しさを味わいます。
新しい身障者スポーツとしての楽しさと合わせて、視力のある人と対等に競技することの出来る面白さを サウンドテニスは生み出しています。

対戦者の視力有無による競技力の違いをコートサイズで調整するサウンドテニス規定は、視力のある人の実力(一般テニス競技)を十分に
引き出すための競技開発によるものです。

サービスコート幅を50cmに(※視力のある人の競技レベルに対応した40〜60cm)規定しているため、ダブルフォルトも増えます。 
他のテニス競技と同じく、コンセントレーションの大切さを痛感しながらゲームを落とすこともあります。

スポーツの魅力は全力を尽くすことにあり、視力のある人達や一般のテニス経験の豊富な人達はその力量をすべて投入できる内容で楽しめるテニスです。 この新しい競技方法を具体化したところ 大変好評でした。
 

1988年 このテニス初公開のとき、参加した全盲の人達から 「むずかしいけれど 面白いスポーツ ・・」 との感想が寄せられました。
その後 競技ボールの開発と競技方法の研究から、視覚ハンディキャップテニス内容を確立し、更に サウンドテニスの設計へと進めました。
ふたつのテニス内容の練習には 吉原さんはじめ多くの視力障害の人達が参加するようになりました。

吉原さんは 現在 このバリアフリースポーツのサウンドテニスの楽しさを伝える JHTF認定 準指導員として 活動が続いています。



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