私がこのテニスを知ったのは、20数年前です。
国立リハビリテーションセンターで行われた視覚ハンディキャップテニス大会の参加がきっかけです。
当時は、テニスというスポーツは知っていましたが 「飛んできたボールを打ち返すなんて・・」 と思っていたので 初めて ラケットに当ったときは、とてもうれしかったです。 この気持ちは・・全盲になった今のほうが強いと思います。
その後、何年か続けて 視覚ハンディキャップテニス大会に参加しました。
最初の頃はボールが手に入らず、小さ目のスポンジボールなどで、昼休みや放課後に友達と楽しみました。
しかし、学校を卒業して以来、練習もせずに大会に参加していましたが、「これでは・・」 と思っていたときにサウンドテニスクラブを知り、入会しました。
最初は、コートづくりやネットを張る方法がよく分からず、指導者やボランティアの人達に任せきりでした。
でも今は、いろいろと工夫され、改善したので、全盲の私達だけでも出来るようになりつつあります。
はじめの頃の練習内容は、弱視の人達同士、また、全盲の人達同士でのゲームがほとんどでしたが、参加人数が足りないときは 晴眼者がアイマスクをして
視力のハンディ をなくしてのゲームをしていました。
弱視と晴眼者のゲームでは、アイマスクに小さな穴を空けて視野のハンディをつけました。
しかし、この方法は私はすっごく嫌いでした。 なぜなら、テニスのキャリアがある人はサーブが打てても ラリーが続かないからです。
目隠しをした晴眼者は 動くことも 打球も難しいからです。
その後、この目隠しの代わりに、点数(ポイント)やバウンド数にハンディをつける方法も練習しました。
しかし、この方法でも 一生懸命にやっても 視力のある人と対戦するゲームは難しかったです。
現在のゲーム方法であるコートの大きさでハンディをつけるようになってからは、テニスがもっと楽しくなりました。
ラリーが続いたり、ポイントを取ったときは 格別です。
なので、もっと多くの人達にこのテニスの楽しさを知ってほしいと思います。
私は弱視のときにこのテニスに参加していますが 全盲になった現在も楽しんでいます。
「見えないから・・」 といって、諦めずに どんどん体験してほしいなと思います。 「晴眼者や弱視の人に勝てたときは 最高ですよ!」
吉原 (東京)
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