S・ST 競技用ボールについて  
S・ST-b2 S・ST は、高品質のスポンジボールを選定して競技使用を図っており、硬式テニスと同じ強打や強い回転の連続にも耐えるボールが従来のスポンジボール使用のテニスゲームのイメージと異なる競技を生み出します。

JHTF(
活動開始当時はルプト・プラン連絡協議会の名称でスタートし、テニス開発はハンディキャップテニス研究協会 <現在のJHTFクリエイト)が スポンジボールをテニス競技開発に導入したのは1982年、公営コート使用の横浜会場の講習からです。

横浜会場のみでなく、首都圏内の各地域で実施したボランティア並びに指導者育成を兼ねた定期講習でもスポンジの使用が進みました。
このときは、国内車椅子テニス環境づくりに取り組みを進めていた時期ですが、運動機能障害のハンディの大きい人達が楽しむのに硬式テニスボールでの練習は負担が大きく、この点の改善に軽量ボールの活用を考えました。

この軽量ボールを新たな競技方法に本格的に活用を進めたのは、1988年に有明テニスの森公園で開催した<第1回 日本ハンディキャップテニス大会>以降からです。 当時、使用したスポンジボールは、直径7cm、重さ15gの製品でした。

このスポンジボールは国内数社から発売されていましたが、1989年に開催された '89 横浜博覧会・市民企画のひとつとして<国際児童ショートテニス講習会>で使用し、同時に、在日米軍基地内の子供達チームも加えた<国際ショートテニス大会>を開催、この後、輸入されたトレトン社製品の直径8cmのスポンジボールも講習企画等に使用するようになりました。


S・ST 競技ボールは
直径 9cm、 重量 26g〜 28gのスポンジ製

S・ST競技の認定球として選定されたのは、優れた品質に加え、他のスポンジボールに比べ、その大きさ、重さが、硬式テニスのベテランも含む多くの人達の様々なプレーに適している点です。

大きさは動体視力の低い人達も打球し易く、約30gの重さは、腕の負担を少なく、安全性に優れ、打球音も硬式テニスの特徴とは違う良い響きがあります。

他のスポンジボールは 直径7〜8cm、重量15g
このボールサイズは、将来の硬式テニスへの移行を考えたものと思いますが、スポンジボールでも、小さいコート上では、想像以上に速い打球も生まれ、打球の際にボールを見失うこともあります。

こうしたスポンジボールの使用対象が体力少ない子供達向けに製造されていますので、速い打球や強打のプレーは設計基準にないと推測されます。 留意してご使用下さい。
 


※参考 硬式テニスボールは、直径6.35〜6.67cm、重量56.7〜58.5g 表皮はメルトン製です。

定期的に企画した講習会に加えて国内各地域を訪ねて実施した指導者講習とテニス体験会の内容に、硬式テニスがメインでしたが、スポンジボールの活用と競技方法の紹介を進めました。

当初のスポンジボールを活用したテニスの主対象は運動機能ハンディ のある人達ですが、この競技開発のステップとして・・ ハンディキャップテニス全般(運動機能障害対応のテニスはハンディキャップテニスのひとつのプログラムです)に取り組みを進めました。
国内で取り組みを進めた車椅子テニスの具体化とそのテニス練習・競技環境づくりの経験とノウハウが S・ST の開発にも活かされています。

 
ドイツ・ボレー社製
スポンジ・ラージボール
VL−L
 ※S・ST 公式競技規定 ( 規定1 ) 競技ボール

 S・ST 競技ボールは 直径 9cm、 重量 26g〜 28gのスポンジ製ボールとし、
 ボールカラーは黄色とする。 
 競技ボールは 木造床面に 200cmの高さから自然落下させ、第1バウンドの
 高さが 70cm以上とし、第3バウンドの高さが 10cm以上とする。

 なお、競技参加者の体力に応じて直径 7cm〜 9cm、 重量 15g〜 30gの
 スポンジボールの使用が認められる。
 競技大会において、直径 9cm、 重量 26g〜 28gの規定以外のボールを使用
 する場合は 競技実施要項に記載するものとする。                              
 


現在、上記のボレー社製品をS・ST 競技の公認球としておりますが、このボールの品質が各種スポンジボールを一定期間にわたりテスト使用した中で特に優れている点を認めています。 今後にこうした品質に並ぶ製品、更に優れた品質が開発されることを期待しています。
ボールは用品類の中でも消耗の多い点から、国内外の普及が進めば、スポーツ業界の発展と地域経済の活性にも役立っていくものと思います。

従来は子供達向きのテニスと考えて生産されていましたスポンジボールが、硬式テニス並みに体力のある成人が強打するプレーを加えた競技に使用することに基準を変えた製品開発が進めば、良きスポンジボールが安価に大量に市場に出回れば、テニスやスポーツ業界としても愛好者の増加と合わせた相乗効果を生み出すことと思います。

VL−L S・ST と併行して開発普及を進めていた<全盲の人達が楽しめる競技のサウンドテニス>のボール素材としても活用しており、更に、このサウンドボールは、認知症の予防と症状進行を防ぐための研究開発にも活用を図る取り組みに使用されています。
硬式テニスとは異なる魅力と幅広い社会活用の道を拓いたスポンジボール使用のテニス競技開発

<日本ハンディキャップテニス大会>は運動機能障害ハンディ全般を対象とした競技大会で、肢体不自由(車椅子使用者を含む)、聴覚、視覚、内部障がい、CPの人達やCVAの後遺症がある人達などが参加できる内外初のテニス大会ですが、スポンジボール採用の競技も企画しました。

硬式テニス競技の車椅子テニス大会の基盤づくりから取り組んだ経験とノウハウを活かし、このときに、体力の少ない人達、障害の重い人達、全盲の人達が、オリンピックのように同じスポーツ環境の中で一緒に安全に楽しく競技参加を可能とした内容と門戸を開くことが出来ました。
有明テニスの森公園で開催した全国大会は10年の歴史をもって終了しました。 NPO事業として資金負担が年々、厳しさを増していたことが大きな理由です。 


1995年1月17日に発生の阪神淡路大震災・・・ 当日早朝からこのニュースを放送されていたキャスターの協力をお願いしておりました・・前年度に作成しました英訳版 ルールブック(RULES OF HANDICAP TENNIS)  を資金少ない団体のため、海外寄贈方法のひとつとして英国大使館の協力を戴く予定でした。
 
しかし、大震災という緊急事態の発生で大使館訪問を後日に延期し、JHTFとしてテニスのNPO事業活動を数分の一に縮小、被災地域支援に全力を投じることにしました。 <
スポーツも、生活も・・かけがえのない生命が守られ、大切な健康が維持できる環境の中で成り立つもの>との考え方です。

S・ST を被災地域の子供達などの支援に活用したのは、阪神淡路大震災後の三宅島噴火からの子供達の避難生活を支える活動や新潟中越沖地震の被災地域支援にも活用しました。 また、東日本大震災の被災地域支援は、僅かな日数の訪問とテニス用具類の寄贈を継続中です。


この被災地域支援活動の際には、スポンジボールは上記のドイツ・ボレー社の製品ではありませんが、子供達や各避難所で活動中のボランティアの人達に好評でした。 被災した人達の支援活動を継続されていた方々から・・ 少しの時間でも久しぶりにテニスを楽しめて、心の疲れも軽くなった・・との感想もありました。
テニスは、初めて体験する人達も、愛好していた人達にも、楽しさと元気を生み出す魅力的なスポーツのひとつです。

体育館や教室いっぱいに被災した人達が多く生活している場所で、スポーツを支援プログラムに加えたのは、スポンジボールの安全性と限られた場所でも楽しめるゲーム方法だから出来ると考えての取り組みでした。 スポーツもその関連用品も競技世界の外でも広く活用できる方法のひとつです。

  
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S・ST-a2 S・ST-b2 S・ST-c2 S・ST-d2 S・ST-e2 S・ST-f2

Competition development document
S・ST の魅力と内容    開発・設計 JHTFクリエイト (旧・ハンディキャップテニス研究協会)