医療の現場で看護師として勤務していましたJHTF会員から・・ ベッド上でしか生活していけない子供達に テニス用具やボールを触らせてあげたい・・
 ・・ との提案があり、心身障害児施設の子供達に 体験の機会をつくりたいとの連絡を戴きました。



東京板橋区にあります心身障害児総合医療療育センターの中で、その施設内に生活する子供達に楽しい時間を増やそうと考え、施設関係者との打ち合わせが進み・・
7月11日(2002年) スポンジテニスを体験する講習を開きました。

この日の参加者は車椅子使用者5名とストレッチャー使用者1名、センター関係者4名とJHTF指導者2名です。
体験参加した人達は年齢の少し高い人もおりましたが、障害のレベルは全員が重く、介助の必要な人達です。

ラケットを握ることのできる人もおりましたが、伸縮包帯で固定しないとラケットを保持することのむずかしい子供達もおりました。
一生懸命に打球しようとする子供達もいれば、はじめてのテニス体験を他の人達の様子を見るだけに終始した子供達もおりました。


1時間程のテニス体験でしたが、移動ベッドに横たわり、センター関係者の介助を伴って参加したA君は医療器具をつけたままの状態で、初めてのテニス体験に加わりました。 ベッドの外に下がった状態のままの握力のない手に ラケットを伸縮包帯で固定しました。

指導員の軽く投げたボールが自分の手にしたラケットで弾むと、その感触の伝わることが楽しいのか、素敵な笑顔を周囲に何回も見せておりました。
こうした機会を各地域で定期的に実施したいところですが、そのためには地域施設の周辺に近い人達によるサポートが望まれるところです。

いろいろな人達の理解と協力があれば、各地の療養施設から、毎日、こうしたスポーツにふれる時間を楽しむ子供達の歓声が聞こえ、笑顔が生まれます。



JHTF (日本ハンディキャップテニス連盟) としては 今回の企画が実施される10年ほど前から重度障害者療護施設の訪問を続けました。
療護施設に入所している人達の生活時間の中で、いろいろなサポートプログラムが施設職員や訪問のボランティアの人達の活動で設けられています。

完全介護を必要とする人達が大半のため、スポーツプログラムには 風船バレーなど僅かな種類に限られていました。
しかし、各施設に入所されている人達の身体の状態や体力は それぞれに違いがあり、趣味趣向も多様であることに対応したプログラムが望まれます。

同じ施設に数年間、2ケ月に1〜2回程度の訪問を継続した特定地域の活動に加えて、国内各地を縦断する形で施設を訪問しました。
このとき、各施設の人達からこのスポーツ体験の率直な感想を伺いました。 

職員の方々が 可能な限りの入所者の希望を実現できるようにと考えても、職員数の関係などで個々の趣味すべてに対応のできない施設の実情なども聞かせて戴きました。 今後、高齢者施設が増大していく中で、多くの人達の創意工夫と合わせて、行政など各方面の支援、助成が必要です。

訪問したいずれの地域、施設でも 上述の心身障害児施設の子供達が見せてくれた笑顔と同じ風景に接しました。
障害がどんなに重く、体力が少なくてもスポーツ参加が実現したこと、重度障害の人達には参加はむずかしいスポーツと思っていたテニスプレーが体験できたことに多くの人達が喜んでくれました。 身体を動かすことの楽しさ、プレーすることの面白さが スポーツの魅力です。



一人ひとりの体力に合せたスポーツ参加の工夫を周囲の人達で進めることができれば・・ベットの中から出ることの出来ない人達や子供達がスポーツの楽しさを身体で感じる機会を設けることができます。 

どんなに障害が重くても、自分で身体を動かすことが不可能であっても、希望するスポーツの楽しさを身体で感じることや体験の機会を諦めないでください。
スポンジボールを使用したテニスは 安全で楽しいスポーツの世界を生み出しています。



長い間、テニス研究の開発に希望したストレッチャーの
寄贈を受け、ベッド上で楽しめるテニス内容を指導者
講習などで紹介しました

スポーツの魅力とテニス参加の楽しさにふれる喜びを
社会の隅々に届けることができればと考えています
競技プログラムの普及とは別の視点からテニスの楽しさ、魅力を活用した効果的なリハビリテーションプログラムも生まれました。

内外の理解ある方面の取り組みが進めば・・
各種の社会プログラムを生み出すことが可能です


このテニス内容は専門的な指導者がいない環境でも楽しくプレーのできる空間をつくることが可能です。 テニス経験ある人達が国内多くの福祉施設や児童施設に訪問して、打球することの工夫にアイデアと技術を活かして戴ければ、より多くの人達がスポーツを身近なものに感じる喜びと出会う機会は増えることと思います。

体力が不足する高齢の人達や幼い子供達、運動機能障害のある人達がテニスを楽しむ機会をそれぞれの地元の関係者などの協力の下、国内各地に設け、内容や楽しみ方を紹介して参りましたが、ボランティア活動、NPO事業活動で可能な範囲は限られてしまいます。

こうした状況の中でより多くの人達、子供たちなどがテニス参加を心身の健康づくりやいろいろな人達との良きコミュニケーションとして活かすことができるように・・
テニス経験者や指導者が活動のできる環境づくり、職域の開拓が 進むことを願っています。

タイトルやメダル獲得を目的とするアスリートが存在する一方、
楽しさ、面白さ、感動を育むことの出来るスポーツ関係者、愛好者が数多く存在することで
スポーツは 真の万人スポーツ、メジャースポーツに・・
なります


コートの外のスポーツ心の発掘