新たなテニス環境開発の歩み  The step that created new tennis environment
          
  様々な運動機能障害、内部障害などのテニス参加の取り組み (定期会場 3 ) ・・
  
一般公営コートを使用した定期講習 / ラケットを用いた身体機能強化運動プログラム開発

定期的企画として、講習指導を進めた神奈川県立リハビリテーションセンター・七沢会場(神奈川)、並びに、国立身体障害者リハビリテーションセンター・所沢会場のテニス講習指導に続き、リハビリ施設とは別に開設したのが、横浜市公営施設の本牧市民公園テニスコートの会場です。

横浜会場は、七沢会場の2年間、所沢会場の6年間に比べて最も長い期間の11年間にわたり継続しましたが、講習対象はリハビリ中の人達ではなく、在宅で仕事や学校などに通う人達を対象に企画しました。 公営施設を利用した初の市民対象のハンディキャップテニス講習です。

練習参加は、車椅子を使用する人達も含め、上肢、下肢に運動機能障害のある立位 (※車椅子を使用しない状態の肢体自由者) の人達で、内部障害、精神障害の人達、また、自閉症の子供達もおりました。

<テニスの楽しさをみんなで> として進めたこのNPO事業の活動基本は、テニス参加の門戸を広く・・ 高齢の人達も 幼い子供達も含むすべての人達を対象に企画し、所沢会場を 拡大した内容で実施しました


心臓疾患を手術した女性からテニス参加の申し込みがありました。 この心臓疾患症状がある方は、主治医の二人の医師にテニス参加したい・・と連絡したところ、内科の医師からは否定的な指示がありました。

しかし、手術を担当した外科医からは、「私が手術した方だ! 過度の負担にならないように気をつければ テニスを 楽しんでも良い」 と理解が得られ、定期的に開催していた横浜のテニス教室に何回も参加しました。

また、肺機能の3/4 を切除した男性のテニス参加もありました。 肺機能の弱い男性は少しの運動でも呼吸に苦労される状況から、5分程度練習しては 20分近く休憩し、 また コート上に出ては打球を楽しむといったことを繰り返しました。

男性は かつて平泳ぎの選手だった方で、その選手時代から 一度テニスを楽しみたいと思っていたので テニス講習の案内を見て参加したとのことでした。 一回だけの参加でしたが、このときのテニス体験を大変喜んでいた様子は 長く関係者の心に残っておりました。 当時、まだスポンジテニスが日本国内で広く普及されておらず、スポンジ・スーパーテニスの開発前のため、硬式テニス内容で講習を実施しておりました。
  
他のスポーツも同じと思いますが・・ 日本で誕生した柔道や剣道では、<心・技・体> の大切さを 指導者は、多くの人達に伝え続けています。
ここに紹介のテニスを楽しむ人達は、技や体力は不足しますが、一生懸命に打球に取り組む姿は、技に優れた一流のアスリートにも負けない心があります。

自力で車椅子を動かすことの出来ない人達も・・ 横になった姿勢しか出来ない人達も・・ 両手を動かすことが出来ない人達も・・ 周囲で工夫し、本人が出来る範囲の力で懸命に努力すれば・・・ テニスは誰にでも楽しめます。

上の画像は、国内各地の重度障害の身体障害者療護施設を お訪ねしたときのひとコマですが、こうした人達がいつでも、どこでも楽しめる機会、環境を生み出せれば、テニスは本当のメジャースポーツになります。
 <心・技・体>の大切さは、アスリートばかりに求めるものではなく、指導する者や環境を育む関係者など、スポーツに関わる人達すべてに求められるものです。
    

横浜会場では利用した期間が長かったことから、いろいろなプログラム展開も図り、企画を継続する中で、周囲の温かな配慮も戴きました。
当時、私達が利用するまで、車椅子でコートを使用する人達は皆無でしたが、毎月の抽選予約ではありましたが、定期的に利用する状況を見て、施設管理の職員提案で、車椅子でも使用し易い水飲み場を 設計施工して戴きました。

また、この施設の全コートは、傷つきやすいケミカル加工タイプです。 このタイプのコートは、車椅子のコート使用テストを関係企業の協力支援で実施済みでしたが、長期間にわたる使用によるコート面に与える影響とプレイヤーがラケットでコートに残す擦り傷など、様々な影響結果をデータ化するため、出来る限り同じコートが使用できるように配慮して戴き、数年間にわたるテスト結果は、車椅子がラケット以上の擦り跡を残すことはないことも確認出来ました。
  
他のリハビリセンター会場では社会復帰のための各種リハビリ運動が行われておりましたが、そうした人達の運動プログラム一環に役立つ <ラケットを用いた身体機能強化運動プログラム>を 横浜会場で開発しました。 

有志の人達から 中古ラケットを提供して戴き、ラケットとそのプログラム内容を 各リハビリ施設に提供し、技術指導も進めました。 当時のラケットはそのほとんどが木製で、近年のような軽量ラケットではありませんが、テニスに興味を持つ機会にも役立てばと関係方面に紹介しました。
    
ラケットを用いた身体機能強化運動プログラム
各定期会場の中では、多くの人達が想像していなかったテニスを 楽しむ人達のスタイルがありました。
こうした人達が国内全域に、世界各地に存在しています。 NPO団体関係者がお訪ねした各地の施設は、時間や資金の関係で定期訪問(8年間)は1施設のみで、他の地域施設は1回限りでしたが、生まれて初めてのテニス体験に接し、訪問したボランティアなど周囲の人達に見せた笑顔は輝いていました。

テニスは、どのような身体状態、どのような場所でも楽しめます。 日頃から一緒に楽しむ人達の存在をいつも近くに感じ取ることの出来るスポーツであれば・・・ 
既存の競技人口の大小などでは計り知れない本物のメジャースポーツに育まれることと思います。 また、紹介の内容は、テニスの魅力を競技スポーツの発展のみにこだわらないところにも活用させたく、歩み続けた活動の一部です。 心ある人達の活動や事業などに役立つことを願っています。
 

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