新たなテニス環境開発の歩み  The step that created new tennis environment

     
  楽しい万人スポーツ環境づくりの 発展と 将来につなぐ 用品用具の開発

スポンジボールを使用したショートテニスが1970年、スェーデンに誕生し、1986年、国内にも このテニス内容が紹介されました。
国内ではショートテニス振興会(※代表・正木 茂氏)が発足し、子供達を 主体としてジュニアから高齢の人達が楽しめるテニスの普及が進みました。

各関係団体による普及の取り組みが続いて参りましたが、こうした団体や関係者の熱意と尽力を 国内のテニス界は 有効に活かすことはありませんでした。
1980年代、NPO団体のJHTF (※1)は、 スポンジボールを活用するテニス環境開発への取り組みを 開始しました。
1970年代から開始した国内車椅子テニス環境づくりの事業に続くものです。 ※1 当時は、ルプト・プラン連絡協議会 / HCT研究協会として活動

テニス競技については、硬式テニスが主流であることを多くの人達が認めるところですが、体力の少ない子供達や高齢者、運動機能障害のある人達に楽しいテニス環境を生み出す機会は少ない中、スポンジボールを活用するテニスの登場は、テニス関係者の多くがこのテニス内容を軽視していました。


近年のテニス界低迷の理由には・・硬式テニスでなければ・・テニスではない! と考える人達の存在です。 その一方で 近年、P+S の内容が国際テニス連盟から国内に紹介されると、軽量ボールにも関心を示すテニス関係者が増えました。

しかし・・ 20年前の国内では、スポンジボールや P+S のボールの内容と類似したボールが誕生しています。 日本ダンロップ社製の SF(Soft Feeling) ボールが製造されており、早くに活用すれば、いろいろな人達のテニスを楽しむ環境を増やすことが 可能だったと思います。
 ※ この SFボールは 当時の日本テニス界は スポンジボールと同じに 活用させることが出来ないまま、ショップ店頭から消えました。

  ダンロップ製の SF ボールは、硬式ボールと同じサイズです。 内圧を低く、重量45g、高齢者や機能障害のある人達に打球し易いボールです。
  このボールの特筆される点は、ボールデザインのプリント文字を硬式テニスボールと同じにし、軽量ボールを使用していても、外見からは硬式テニス
  と変わりなくプレーする状況は、高齢のテニス愛好者や体力少ない人達のプライドと楽しみを 守り続けられるところにあります。

   
商品開発とは・・ 大量に生産・販売可能な商品の利益を考えた開発も必要ですが、楽しむ人達の立場や環境を考えて設計することも大切です。
   開発の内容、方法によって、高齢者がテニス参加を 断念せずに 生涯スポーツとして楽しみ続けられる環境を維持することが可能になります。
   S・ST の競技は 高齢の人達や体力少ない人達が身体の負担少なく楽しめるテニスですが、そのテニス技術もゲームとしての内容も硬式テニスの
   楽しみ方をそのまま継続させることが出来ます。 こうした内容に加えて、体力も競技力もある人達にも適した優れた競技内容も備えています。
   ドイツ・ボレー社製をJHTFとして認定していますが、成人テニス競技の強打、強回転に耐える品質が選定の理由です

なお、スポンジボール使用のテニス・・ 硬式テニス・・  軟式テニス・・  いずれもテニススポーツ界を構成していることに留意が必要です。
各テニスには いずれも互いの間に上下関係はありません。 それぞれにテニスの楽しさ、面白さを 伝え、普及させようとしています。
硬式テニスの魅力に誇りをもつ大切さは分かりますが、テニス振興の立場にある関係者は新しいテニス内容の良き点に理解もつ視野の大きさが必要です。


スポンジボール使用のテニスは、その出発点は子供達が楽しめることを主目的に生まれていますが、その後、国内では機能障害のある人達や高齢者、成人が楽しめるテニスとしても発展してきました。 しかし、このテニスの優れた特徴が十分に活かされる環境は少なく、市販されていた専用ネットスタンドが不足するようになりました。 近年、ネット幅3mのネットスタンドが市販されていますが、競技規定に基づいて設計・発売された用具ではありません。



ここに JHTF/ハンディキャップテニス研究協会(※現在・JHTFクリエイト)が開発設計した新型ネットスタンドA-005について紹介します。
新しいテニス環境づくりに取り組みを続けながら、競技設計などのソフト開発と併行してネットスタンド設計を進めたハード開発です。
これまでに市販されてきたネットスタンドとは、設計・製造面で大きな違いがあります。

 開発の主眼は軽量設計ですが、既存のネットスタンドに比べて様々な特徴ある設計と製品製造の方法が 他企業の製品とは異なる内容を図りました。

  このA-005 は、現在は一般市販を 終了していますが、スーパーテニス、スーパーボレー、サウンドテニスを主対象に設計した用具です。
  13,4m×6,1m のコートサイズに設計したA-005 は、ショートテニスの競技にも適しています。

  新しい時代のテニス環境づくりに適した機能、構造、デザインに設計した内容は、20年,30年後にも携帯移動の可能なネットスタンドのトップレベル
  の製品となるように開発設計されています。
  年齢や体力に関係なく楽しめる S・ST は、成人の競技内容に対応したテニス用具として、幅広い普及と共に高品質製品の需要が生まれます
 ※ 余談ですが、このA-005のデザインと機能に注目した映画関係者が 過日、国内のヒット映画 「ピンポン」 の ネット代用品に活用されています。

           この スーパーネットスタンドA-005 の設計ポイントと具体化した特徴は、次のような内容です
 体育館や人口芝、畳、カーペット、クレイコートなどいろいろな場所に特設できる機能
 体力少ない人達にも持ち運びできる軽量性と 標準スポーツバッグで携帯移動できるコンパクト設計
 スタンドを特設するとき、片半身まひの人達や全盲の人達にも組み立てられるユニバーサル設計
 成人のテニス競技に使用する用具として 斬新なデザインと機能、品質にすぐれていること
 スーパーテニスとスーパーボレーの両競技に切り替え可能な機能と 耐久性に優れた製品設計

    


当時、市販されていたスポンジテニス用具の問題点などの解決を図ろうとした スーパーネットスタンドA-005 は、将来のスポンジテニス用ネットスタンドの製造モデルとして役立つテニス用具設計を考えて進めました。 問題点は、移動式なのに用具として重量の大きさなどいくつもありました。


当時の市販ネットセット と A-005ネットセット の比較
A-005は、軽量化とコンパクト化を図るために、従来のネットスタンドが設置の安定性を図るため、鉄製で製造されていたのに比べて、総ステンレス性です。
  ※ 鉄製スタンドの重量は 約15kg     A-005は 約4kg

転倒防止に必要とした重量を1/3以下に設計するために多くの試作を重ねて、
軽量化とコンパクト設計を図り、いくつかのパテントも取得した製品です。

このネットスタンド設計内容は、国内外で商品化を図る方面に製造のノウハウ
の提供について、一般事業のビジネスツールとしての紹介が検討されています。

  
A-005 の本体と比較 A-005 組み立て図
軽量化と安定性を両立させた方法は、スタンドの安定には最小限のウエイトが必要なため、旅行先などでも入手可能な資源ゴミにされるペットボトルの活用を図り、この活用方法に加えて脱着可能な薄型吸着シートを活用することで可能にしています。

2リットルの水の入ったペットボトルは、足元に落下させてもケガの心配は少なく、子供達や高齢者が持ち運ぶ際の安全性も考慮しています。
また、ボトルなどをスタンドの安定に使用するウエイトバスケットには、2〜3kg程度のバッグ類など代用品を載せる構造が設計されています。
ボトルと吸着シートの活用は、生活環境や身近なホームセンターなどで入手可能な材料を使用し、製品コスト低減を図る目的も加えられています。


紹介の新型ネットスタンドA-005は、スポンジ・スーパーテニス(S・ST)、サウンドテニスの競技開発に沿って設計したものです。

完成近いネットスタンドの試作品は、その優れた機能、デザインなどに評価が高く、当初の製造・市販計画は 10,000セットとしました。
このネットスタンドの設計製造には、ユニーサルテニスの研究開発と国内外への普及啓蒙のNPO事業に必要とした膨大な経費のみでも(毎年、平均400万円前後)を必要とした資金づくりも含まれていました。 

しかし、一般市場に出す活動を開始した直後、開発設計を進めたNPO事業の代表者でもある筆者が交通事故に巻き込まれ、入院治療に6ヶ月余、更に通院・リハビリに7ヶ月近く掛かり、事故から1年余を要しました。 こうした状況は中断していた用具製造の資金事情にも影響し、市販再開を断念しました。

当初に製造した120セット余りの大半は 国内各地の福祉施設や被災地域の学校、スポーツ関係団体などに寄贈し、実売したのは僅かな数量でした。



このA-005は、S・ST が多様な環境で活用できることを考えた先進のコンセプトで設計しており、数点の機能構造のパテントも取得しています。
試作品製造に始まり、資金協力などの多くの支援協力を戴いたのは、精密電子機器の設計製造企業のコペル電子株式会社代表の前角典男氏です。

ひとつの交通事故で当初の市販計画は保留となりましたが、この製品の優れた内容は多くの時間が経過した今も、各企業で製造販売されています用具に劣る点はなく、この用具設計製作のノウハウを 国内外の各方面に提供も考えています。 今後の紹介は サンパールCISのサイト情報で進めて参ります。


 20世紀から21世紀に時代が進む頃、ショートテニス競技の普及に向け、当時、スポーツ各社は専用のネットスタンドを発売していました。
 しかし、その後、競技用ネット幅610cm、ネット高さ85cmに適合するネットスタンドは、スポーツショップの店頭から消えました。
 現在、このサイズのネットスタンドは、通販扱いの1社のみの製品が発売されています。

左のネットスタンドは、当時発売されていたスポーツ企業2社の製品です。
いずれもネットスタンドの台座部分の重量は、片側7,5kgでセット全体で15kgを超えています。

こうしたネットスタンドは、硬式テニスなどのようにネットポストをコート上に埋め込む構造と異なり、どこでも楽しめるようにと移動型に設計されており、倒れにくい構造にするための重量が必要と考えて製造されています。 近年、ネット通販で紹介されているネットスタンドは、総重量46kgの製品です。

JHTFが各地の身体障害者療護施設や高齢者施設、福祉施設などをテニス訪問した際、左記の移動型ネットスタンドを 持参し、テニス経験が皆無の人達にテニスの楽しさを 紹介することに役立ちました。
しかし、この地域訪問のときにも感じたのは、ネットスタンドセットの重量が大きい点でした。
 ネットスタンドは 軽量であれば、誰にでも取り扱うことが可能です。 小学生や体力少ない高齢者達が周囲の協力を求める必要もなくなります。
 テニスは基本の技術と競技方法を修得すれば、同じ仲間同士でゲームを楽しむことを好みますから、軽量化はこうした人達の楽しむ機会を増やします。

 

S・ST と硬式テニスの関係を 他のスポーツに例を見ると・・
サッカーのミニサイズにも見えるフットサルですが、現実はサッカーの競技人口を大きく超えていろいろな人達が楽しんでいます。
しかし、コートが小さいからサッカーの下位の位置づけになると考える人達が多ければ・・ このスポーツ世界は限られた発展になったと思います。

真の万人スポーツとは・・? そのスポーツを楽しみたいと思っている人達すべてに参加の門戸を開き、楽しむ環境づくりを 確実に生み出すスポーツです。
参加したい人達の中に、手足に障害のある人や視力や聴力の機能障害のある人、体力少ない人が加わることを可能にする工夫を図り、ベッド上で生活しなければならない人達に対する楽しみ方を考え出そうとする発想豊かな活動が伴えば、魅力多いスポーツが育まれます。

こうした内容が伴わないスポーツは・・万人スポーツの名称には相応しくないスポーツになります。
万人スポーツは、楽しみ方や環境づくりの工夫のみでなく、そのスポーツに必要とする用具用品類についても いろいろな人達の体力や運動能力、環境に適した内容の製品開発が必要になります。 楽しみ方のソフト設計、用具用品のハード設計、この両面の開発工夫がスポーツの大きな発展につながります。


 テニスの新分野は主要となるフト開発は進みました。 今後は楽しむ人達に適した機能性に優れた用具のハード開発が更に進むこと期待されます。


Page 1
Page 2
Page 3
Page 4
Page 5
Page 6
Page 7
Page 8
Page 9
Page10
to top
Page11
Page12
Page13
Page14
Page15
Page16
Page17
Page18
Page19
Page20