ハンディキャップテニスの開発、普及への取り組みの開始は1977年です。
1981年に至る約5年間、高齢の人達が参加するテニス環境と身近かにふれあいながら、生涯スポーツと万人スポーツを実現する環境づくりを求め、ハンディキャップテニスの基礎研究が進みました。
スポンジスーパーテニスやサウンドテニスなどの新しいテニス内容の研究開発や普及はこのページで紹介のハンディキャップ硬式テニスへの取り組みから始まっています。
|
ハンディキャップテニスとして・・基礎研究から総合研究開発プログラムに移行した最初のプログラムに選んだのは車椅子のテニス部門です。 しかし、当初の開発対象は、障がいのある人達ではなく、高齢者に対するテニスプログラムでした。 その中で高齢化に伴う体力、脚力の低下を補うための用具のひとつとして発想されたものが車椅子の活用です。
この車椅子のテニス活用を考え、医療関係者の紹介で訪れたリハビリテーション関係の各公営施設では、事故や疾病などで失った運動機能を回復させようとしている人達との出会いが始まり、当該センターの施設内を含めて各地域に会場を設け、NPO活動の一環にテニス講習の企画、指導が進められました。
|
 |
写真は一般テニスコート(公営施設)で車椅子使用を実現させるためテスト用として購入したスポーツタイプの車椅子です。 その後国内でも車いすテニスの普及が進むに従い、テニス競技専用の車椅子が設計されるようになり、近年の最新型テニス競技車椅子はキャスターが一輪に設計された3輪タイプに移行しています。
1982年7月に実施しましたコートテストに使用したこの車椅子は、現在までの長い間、各地の指導者講習やテニス教室などの中で活躍してきており、経年疲労は見えますがまだまだ健在?・・講習などで使用(酷使)が続いています。 |
|
|
|
現在でも同様と思いますが、テニスの世界は ‘足ニス’と異名をつけられるほどに、俊敏にしてスタミナを必要とするため、体力の衰えがある人達や下肢に障がいのある人達は競技者としては致命的なハンディがあると見られていました。
このため20数年前には、下肢に運動機能障がいのある人達にテニス参加の道が開かれておりませんでした。
近年、飛躍的に品質、機能を向上させたラケットや車椅子の誕生もあって、障がいハンディの存在を忘れさせるほどに素晴らしいプレーが各地のテニスコート上で展開されています。
いろいろな方々から当連盟にお問い合わせがある中に、ハンディキャップテニスを車椅子テニスの代名詞として誤解される人達が多く見られます。 ハンディキャップテニスの内容については、本ページでも紹介の通り、障がいによるハンディに限らず、幅広い人達が楽しめるテニス分野として開発が進められてきています。
車椅子テニスを愛好する人達の他に、聴力障がいのテニス愛好者も多く、立位(車いすを使用していない状態を示す)の肢体不自由の人達や内部障がい、脳性麻痺障がい、視力障がいの人達が楽しむテニスの世界が生まれています。
身体的な障がいばかりでなく、知的障がいの人達もテニス参加を楽しめる環境が周辺の理解によって少しずつ広がっています。
|
身体の一部に障がいがあることを別にすれば、他の運動機能は日常生活に問題なく、その障がいが影響する身体の運動部分、機能部分を競技ルールや用具の工夫、競技方法で補うことで誰でもテニスプレーを楽しめることをJHTFを含めいくつかのサークル、団体の活動が実証しています。 また、障がい者スポーツとしての発展もありますが、良き指導者や練習環境が整えられれば、一般テニス競技のトップクラスの中に障がいのある人達が加わることも可能です。
|
スポーツの普及に大切なことは、ハイレベルの競技の進展も必要ですが、その一方で誰にでも親しめるスポーツレクリェーションとしての発展が必要です。 観客の目を楽しませるハイレベルの競技はスポーツ普及の大きな牽引力となっていますが、一方、見ることより自らプレーを楽しみたい人達は一定のレベルで競技に参加したり、競技にこだわらない人達はスポーツレクリエーションとして参加し、身体を動かす喜びを感じることができるようになることです。
スポーツ世界の発展を陰で支える上で多くの人達に忘れられているコートやグラウンドを含めた体育施設の設計、建設、そしてそうした施設の整備などに汗を流しておられる人達の存在、また、スポーツとは無縁と思われる様々な環境の中でスポーツの魅力を見つめ続けている人達の存在を大切に思い、そうした人達への温かくやさしい配慮が大切です。
ハンディキャップ硬式テニスの世界は多くの人達がスポーツの楽しさを体感できる機会を設け、その環境づくりを通じて、誰もが機会均等にテニススポーツの面白さに親しめる工夫を図ろうとした世界です。
体力や運動機能にハンディのある人達の中で、テニス参加を望む人達のすべてが各地数多くのテニス施設の中に受け入れられていくことを基本に、ハンディキャップ硬式テニスの世界はいろいろな問題と直面しながらも多くの人達の地道な活動と温かな理解の中で成長しています。 硬式テニスは体力的な負担を少し必要とするスポーツ内容ですが、スピード感のある魅力あるスポーツ世界です。
体力や周辺の環境、同じテニス愛好者との交流などを工夫して硬式テニスをお楽しみください。
|