手話サインを用いて・・聴覚障害の人達とテニス交流を楽しみませんか

    手話通訳者が活躍された日本ハンディキャップテニス大会(1994年)表彰式の記録ファイルから

どのような障害のある人達についても同じことが言えますが、聴覚障害の人達の明るさは人を惹きつけます。
その明るさとさわやかさで話し掛けられると、手話の知らない者として、思わず身振り手振りのボデーアクションで応えていましたが・・
しかし、手話をしっかり学んでいたら・・と思います。
  
 屋外16面、室内6面のコート上に2日間、300名余のプレイヤーが熱戦を展開した有明テニスの森公園の会場

国内各地から様々な障害のハンディがある人達が一堂に集い、障害の違いを超え、また、ボランティアの人達とペア
を組み、26競技クラスの中で日頃の技と力を競いました。
テニスの経験少ない人達もおりましたが、ダイナミックな見ごたえのある素晴らしいプレーを発揮される人達も多く、
観戦した人達に驚きと感動をもたらしました。

この大会に参加した聴覚障害の人達は、障害のある選手の中では3割以上にも及びました。
大会では、選手の呼び出しや競技規定の説明、競技審判のコールなどの面では会話を聞き取れない人達には大きな
ハンディがありましたが、この言葉のハンディを補ったのが手話でした。

1988年の第1回開催以来、東京都手話サークル連絡協議会の協力を中心にして多くの手話通訳者がコート上に、
競技本部に、また、表彰式や懇親会などにボランティアとして活躍しました。
また、大会運営や競技審判にボランティアとして活動された人達は、手話通訳の人達から学んだ手話サインを聴覚
障害の人達とのコミュニケーションを図ることに役立てておりました。

上記に紹介の大会は当時、肢体不自由、脳性まひ、脳血管障害、視覚障害、そして聴覚障害など様々な身体機能に
ハンディのある人達が毎年参加して楽しまれた国内唯一のテニスイベントですが、その後、各地に地域大会が生まれ、
そうした企画の中で手話通訳の人達が活躍されています。

障害のある人達を中心としたテニス競技大会として、近年、車椅子テニス大会が大きく普及してきておりますが、一方、
車椅子テニスが紹介される以前から聴力障害者テニスを愛好する人達がおりました。
しかし、テニス関係者やいろいろな方面とのコミュニケーションを図ることが困難として、聴覚障害の人達のテニスに
理解してくれる関係方面も少なく、聴覚障害の人達の懸命な努力や願いにも関わらず、社会的支援の外に置き去りに
されてきた感が見られました。 21世紀の新しい時代の中では温かな理解を増やして、コミュニケーションの方法を
工夫したスポーツ参加、社会参加の機会がより多く生まれることを願っています。


                                           上へもどる



  
ここに紹介しますテニス競技の手話は、1991年発行の<ハンディキャップテニスルールブック>(障害ハンディテニス総合編)
編集に際し、聴覚障害のテニス大会を企画、運営する関係者からの情報をもとにして編集したものです。 
(参照ページへリンク)
手話は時代の動き、環境の変化により、一部が新しい表現に変更される場合もあります。このページも変化に対応して紹介を進めます
アウト
フォールト
手のひらを後ろに向け、両手または片手を高く上げる
セーフ
グッド
胸より低い位置に、手のひらを下に向け腕を伸ばす
ナットレディ
タイム
両手で英字の「T」の形をつくる
コートの
サイド交代
両手を身体の正面で左右に伸ばし、1、2回交差させる
レット 両手を高く上げた後、片手を開き、もう一方の手は握り、
その両手を軽く擦る。
続いて、第1サービスのレットは指を
2本立て、第2サービスのレットは1本を立てる。

立てた指の数は
サービスの残り回数
  

(ラブ)
指を丸めて筒の状態をつくる
プレイヤーに筒の状態が0に見えるようにする
15
(ヒフティーン)
数字の1に代え、人差し指を立てる
30
(サーティー)
数字の2に代え、人差し指と中指を立てる
40
(フォーティー)
数字の3に代え、人差し指、中指、薬指の3本を立てる
デュース 片手でジュースを飲む仕草をする
アドバン
テージ
親指を伸ばして握った片手をアドバンテージをとったプレイヤー
に向ける

 聴覚障害の人達とのコミュニケーションについて
聴覚障害の人達が参加する競技では、ポイントやコールサインを伝える方法として上記の手話サインを用いますが、
この手話に代えて、次の方法を用いることもできます。
  ● 口語  ※通常の会話の形ですが、聞き手は話す人の口の動きで言葉を読み取ります。
  ● 空書  ※身体の前の空間に指で大きく文字を描きます。文字は書く人の側から読める形とします。
  ● 筆談  ※ペーパー上に文字を書き込み、それを読むことで確認します。

 聴覚障害のプレイヤーと会話するときの留意事項について
難聴で補聴器を使用しているプレイヤーがおります。また、手話ではなく口語法ができるプレイヤーがおります。
声を聞き取れる人達、手話だけで言葉を理解する人達、口語法だけで会話する人達などひとりひとりの会話環境が
違うことを考えて会話をはじめることをお薦めします。
初対面の人に対しては・・手話と一緒に相手の正面で唇の動きを正確に、同時に発声も行ってください・

口語法は、口の動きを確実に、聞き手が理解できるようにゆっくり話すことが大切です。
空書は何もない空間に文字を書く真似をしますので、適度な速さで相手が理解できるまで繰り返す必要もあります。
筆談は相手に伝えたい内容が多いときや、漢字などが含まれた内容の意味を正確な伝えたいときには便利です。

少しだけでも手話ができる人達は、その手話を活用しながら筆談と組み合わせることでも聴覚障害の人達と会話する
ことが可能です。 手話ができない・・まだ十分に体得していない・・といった人達も、積極的に聴覚障害の人達に
話し掛けて見ることで、相互に新しい知人、友人関係を育てていくことができます。





 手話について

国内には難聴の人達も含めて約36万人の聴覚障害の人達がいるとされています(実数はもっと多いと思います)
この人達の多くが手話を生活の中で用いておりますが、日本では全国の聾唖学校で手話法に代えて口語法の教育が長く
続いた時期がありました。このため、口の動きで相手の会話を読み取る口語法を修得した人達も数多くおります。
一方、難聴の人達は補聴器を用いて相手の言葉を聞くことができます。また、手話の世界には地域性もあります。

聴覚障害の人達が苦労しながら会話の手段を創り出してきた経過と歴史を考えますと、手話の内容に地域差が生じる
ことのやむ終えない事情が理解できます。全国的に統一された手話法が確立されるまでにまだ多くの時間を要するもの
と思われますが、それまではひとつの文化として受け止め、マスターした手話と違う場所での会話には、筆談なども
加えて手話表現の違いを調整しつつ会話していく必要があるかもしれません。

通常の会話でも方言といわれる言葉や様々な外国語の世界に飛び込んだとき、相手の動作や表情から会話の意味を汲み
取る努力を誰でも行うものと思います。言葉が通じないときでも、心を通わせることから会話は始まるものです。

手話通訳者から学んだ内容ですが、表情や動作は指で表す動きと合わせて手話表現の中で重要とされています。
一例として、悲しい表情をしながら・・頑張ろう・・、うれしい・・といった手話を用いたとしても、相手には正しい
意味が伝わり難くなります。 手話を学ぶことで、表情豊かに、心をつたえる会話の大切さを実感してください。
新しい友人関係、楽しい交流を生み出すことに、
機会を見つけて手話を学んでみませんか。

スポーツの多くは言葉が少なくても相手と競技することが出来る世界です。
しかし、競技規定の説明やゲームの進行に最小限の言葉や会話が必要です。ゲームに使用する手話サインは簡単です。
手話サインを使って聴覚障害の人達とテニスを楽しむようになると、手話の面白さに関心が高まるものと思います。
スポーツの上達は知識も大切ですが、身体の筋肉に憶え込ませることで上達を早めますが、コート上はテニスと手話を
身体で学ぶ上で最適な環境のひとつになりそうです。

JHTFでは、誰もが同じ手話サインを共有してテニス交流やゲームを楽しめるようになることを願い、ルールブック
の中に手話サインを編集し、また、英語版にも掲載して海外方面へ寄贈して参りました。
国際的にも統一された手話で国際スポーツ交流のできる時代が実現することを願っています。


 日本ハンディキャップテニス大会について      日本ハンディキャップテニス大会資料ページへ

この大会企画は競技普及と共にいろいろな人達との出会いを創り、様々な障害内容の枠や障害の有無を超えた新しい
バリアフリーの世界を広げる取り組みのひとつでしたが、この内容は参加した人達の中に良き反響を生みました。
聴覚障害の人達からは、はじめて他の障害の人達がテニスを楽しむ姿を見ましたとの感想があり、車椅子の人達からは
いろいろな障害の人達やボランティアの人達とのふれあいが楽しくて毎回参加していますとの話も聞かれました。
現在、この日本ハンディキャップテニス大会は企画事業を完了していますが、様々なハンディの違いを超えた大きな
バリアフリーのテニスイベントが内外各地に新たに誕生することを期待しています。


上へもどる


ハンディキャップ硬式テニス
索引ページへ