認知症状の進行緩和と発症予防に向けたテニスプログラム700-s2
元気な日常生活

このプログラム研究は、1994年から 各地の身体障害者療護施設訪問を進めていた当時、関係施設に隣接していた特別養護施設の職員と共に来訪された高齢者が 療護施設の中で実施していた スポンジテニス講習に 体験参加しました。 その時の様子を 拝見した機会から始まりました。

施設で生活されている高齢者の大半に認知症の症状があるとのことでしたが、その高齢者のひとりがボールを打ちたいと参加、初めて握ったラケットで打球したときに それまで無表情だった顔に 時折、笑いを 交えて動く様子を見た 付き添いの施設職員が驚き 「何年間も 無反応、無表情の人が 笑った !! 」 と 語りました。 このときの軽スポーツ参加が 認知症の人の脳に 適度な刺激を与えたことから 笑顔が生まれたと思われます。


テニス参加の機会が 表情を明るくし、身体を動かすことで 適度な疲労と刺激を生み出すことが役立つ方法と考え 開発が進んだプログラムです。
日頃の健康維持に 効果あるスポーツの特徴を 日常生活に加える方法ですが、スポーツは 更に いろいろな人達との 明るい交流につながります。

  この機能回復プログラムに採用しています テニスの楽しみ方と効果について

運動量や高い運動能力を必要とする硬式テニスとは異なり、スポーツ経験のない人達が 簡単に打球できます。
スポンジ製のボールは、身体や家財に当たっても怪我や損傷の危険は皆無に近く、3m×7m の広さがあればゲームが楽しめますが このスペースよりも小さい場所でも可能なテニスです。

日本の室内では 6帖程度でも 多少力加減をすれば、スーパーボレーの打球とラリーを楽しめます。 
ボレーと名付けていますが・・ 2バウンド後や3バウンド後の打球も認める 初体験の人達も親しみ易い内容です。

プログラムのステップは、打球の感触から始まり、打球と移動のための手足の動き、ボールの動きを追いかける力や
ポイントを競い合う意識と喜びから生まれる笑顔・・ この笑顔に 脳の機能向上効果を推測します。

 

認知症の問題は その周辺で介護される家族の心身にも大きな負担を生み出していますが 軽度症状も含めて 認知症になり易いとされる人達の生活空間を 少しでも改善する方法の工夫が必要です。 この方法で 介護者の負担を軽減出来ます。
紹介のテニス活用プログラムは、治療のための薬物を使用しない内容で 長期にわたっても副作用の心配がありません。 

 ●ポイント1  スーパーボレー並びにスーパーテニスの内容を導入する理由とその特徴について
  〇 年齢や体力に関係なく、また障害がある人達を含めて 誰にでも簡単に安全に親しめる内容を 備えていること
  〇 実施する場所に大きな制約がなく、床やカーペット、畳の上でも可能であり、運動量の調節が可能なこと
  〇 人それぞれの身体の状態に合わせて、立位の他、椅子に腰掛けたり、床や畳の上に座り込んでもできること
  〇 スポーツとしての面白さを活かし、相手の人達と会話のやりとりを 楽しみながらできること
  〇 使用する用具費用が入手し易い低価格であり、ゲーム的な用具の一部を 周辺にあるものを活用できること
 

 ●ポイント2  身体的、精神的効果の特徴について
  〇 スポンジボールを使用しますが、そのボールをつかむ動作と 小型ラケットを握る動作が 脳の働きを必要とします
  〇 ボールを打つための動体視力が必要ですが、そのために視神経を刺激し、集中力も必要として 脳の働きを活性化します
  〇 打球するための身体の動きに加え、身体から遠く離れたボールを追って 移動する運動が生まれ、脳の働きを刺激します
  〇 ゲーム的なラリーが出来るようになると、勝敗への意欲も育まれ、打球のための動きが活発化します
  〇 バウンド音が発生するサウンドボールを使用することにより 聴力への刺激を増やし、脳の働きを 更に活性化させます


 ●ポイント3  その他効果について
  〇 スポーツはいろいろな人達と接する機会となり、周辺の人達を誘って 共に楽しむことで 社会参加にも役立ちます
  〇 適度な運動は良き発汗を生みますので、ストレス解消と共に 徘徊や夜行症などの防止にも役立ちます
  〇 このプログラムは 介護する人達の健康づくりにも役立ちます。 他の家族や友人などとのミニスポーツを楽しめます。
プログラムは 認知症の人達にとって難しい点はなく、周囲で認知症の人達をサポートする人達も、打球やゲーム相手になるだけで十分です。
笑顔で 認知症の人と サポートする人が、互いに 打球を楽しむ時間を 工夫すること これだけのプログラムですが 元気な日常を生み出します。

コーチなど専門家は不要です。 卓球やバドミントンなどは 初心者に親しみ易いスポーツですが、テニスの初体験者に優しい内容です。
薬剤とは違い、副作用を心配することがないため、手軽に始めることができます。 卓球などと同じく、自己流でも進められます。

このスポーツは、ボールの動きに反応して身体を動かし、打球に必要な動体視力が向上するため 認知症の改善に効果が生まれます。
認知症の人達の症状変化に気をつけながら、早急に効果を求めることなく 急がず 進めることが必要です。

プログラムは 認知症の人達のためだけでなく、その周囲で介護に関わる家族の心身の負担を少しでも和らげることが出来ます。
軽スポーツのひとつとして、友人、知人を仲間に加えたり、同じ認知症で苦労されている他の家族と一緒に楽しむことで 効果が高まります。
 認知症の人達との対応で いろいろなことを忘れ易くなっていても 批判したり 無視したりしないことが大切です。
 本人が疎外されたと感じると 症状を悪化させることにもつながります。 打球を認知症の人と 笑顔で楽しむことで 効果が生まれます。

福祉施設や医療、教育施設などが中心となって取り組む場合・・ 認知症状別に区分して進める必要はありませんが 経過観察しながら進めます。
実施方法は認知症の内容により 経過状態を記録し、効果あると見られる内容を 広く進めることで 多くの人達が 良き情報を共有出来ます。


  A アルツハイマー型認知症    B レビー小体型認知症   C 脳血管性認知症    D その他の認知症

認知症の改善効果とは別に、身体を動かすことによる健康維持を図り、周囲の人達との良きコミュニケーションづくりにも役立つ内容が期待できる点、身近な人達と家庭の中でできる点も特徴です。
家族や周囲の人達と一緒に楽しむ中から 症状の進行を防ぐ方法が集積し その効果内容を広く公開することによって 多くの人達に役立ちます。


医療や福祉等の機関、施設では、通路として使用するスペースや 病室やロビーなどの一部を活用して進めることも可能です。
プログラムの出来る場所と空間は 多くの人達の周囲に数多くあります。 休眠している場所を活かすことで 人と社会を元気づけます。 

プログラム開発 JHTF クリエイト (旧・研究協会)